最近ハマって一気読みしたマンガ「ちひろさん」。
出典:https://www.cmoa.jp/title/80561/
2023年2月23日に有村架純が主役のちひろさんを務める実写映画が上映され、NETFLIXでは”今日の映画TOP10”の3位に君臨。
今注目を集めている映画の原作漫画だが、私は漫画で見ることを強く推したい。
現在、LINE漫画では、4巻までが3月16日まで無料で読める。
あらすじ
海辺の田舎町の弁当屋で働くちひろさん。
そんな彼女は、元風俗嬢。
幼い頃は家庭環境があまり良くなく、そういった人生経験から弁当屋に来る様々な悩みを抱えた人たちに元気や生きる希望を与える—
言葉で説明するとこんな感じだが、実際は、簡単に言葉では表せない程、読んだ者にしか分からない奥深さがある。
最初は、文字が多すぎず描写が多いことから読み心地が良く、すらすらと読み進めていくのだが、読んでいくうちに途中でふと気づかされる。
ちひろさんの生き様や、ちひろさんが人々に投げかける言葉、態度を見ているうちに、「こんな生き方をしてもいいんだ」と。
それがどんな生き方かは、実際に読んで感じてみてほしい。
「ちひろさん」の作者
作者は安田 弘之さん。1998年からフジテレビでドラマ化された「ショムニ」の作者だ。
この安田先生のあとがきが人間性が出ており、安田さんの温かさを感じる。
「ちひろさん」全9巻の中で私が好きな安田先生の言葉を一部紹介。
あとがき
前作では風俗嬢だったちひろ。
夜の海でぼんやりさ迷っていた彼女は
今ではその闇を抜け
昼の海をぼんやりと漂っています。ぼんやりしていることが罪悪感
楽でいるのが楽じゃない
そんな時代を僕たちは生きています。安田 弘之(2014年9月)「ちひろさん2巻」
あとがき
何かるとすぐ泣く子でした。
友達とワイワイやるより一人で遊ぶのが好きでした。
(中略)
他人と競争することもケンカすることも大嫌い。
「気持ちが優しすぎる」「甘い」「男らしくない」と言われ
そんな自分が恥ずかしくて情けなくて大嫌いでした。
今にして思えば僕は”恥ずかしい男の子”ではなく
ただそういう人間だっただけです。
その男らしくない男の子はやがてマンガ家になり
ショムニが生まれ、紺野さんが生まれ、ちひろが生まれたのです。むしろ最初から誇りに思えばよかった。
”男らしさなんていらねえ!”と直進していれば
(中略)
だから言いたいのです。特に若い子たちに。
男らしさとか女らしさなんて必修科目じゃないから!
削り取ろうとしているそれこそが一番大切なものかもよ?と。安田 弘之(2015年4月)「ちひろさん 9巻」
そんな安田先生と安田先生が生み出すちひろさんの言葉は、頑張りすぎてしまう現代人に刺さるものがあります。
ちょっと疲れたときに、ひと息入れる感覚で読んでもらえるといいかと思います。
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